日本の参考になるドバイの移民モデルとその成功要因

 移民問題は日本においてますます重要なテーマとなっている。日本は過去数十年間、高齢化や人口減少といった人口構造の変化に直面してきた。これらの問題に対処するためには、移民政策を考慮する必要がある。なぜなれば、移民は労働力と消費者不足を解消するために不可欠である。高齢化が進む中、日本は移民の流入により、産業界は必要な労働力と消費者を確保することができる。これにより、経済成長が促進され、日本の国際競争力が向上する。

しかし、文化的多様性という面で移民は日本社会を大きく左右する。一方で、外国人の受け入れにより、異なる文化や経験を持つ人々が日本社会に参画する。これにより、国際的な視野が広がり、クリエイティビティやイノベーションが促進される可能性がある。ただし、社会統合や労働条件の整備など、移民を受け入れるための適切な政策とサポート体制がない限り、文化の衝突や差別の問題も起こりうるため、移民問題には慎重に取り組む必要がある。移民の大量流入が善か悪かに評価されるのは、適切な政策とバランスの取れたアプローチがあるかどうかによるでしょう。

今後どう移民政策を成立するか模索中の日本にとって、中東の国際的大都会ドバイは参考になるだろう。ドバイは長年と独自の移民モデルによって世界中から人々を引き寄せている。2017年のデータによると、ドバイの330万人の人口の中、外国人は92％を占め、世界でもっとも高い移民の比率となっている。1950年代に石油が発見された以前にはほとんど外国人がいなかったドバイの歴史を振り返ると、いかに短期間に独自の「ドバイモデル」を築き上げ、多くの外国人を居住者として迎え入れられたがわかる。

ドバイは英米ははじめとするいわゆる「従来」の移民政策とは異なる独自のアプローチな移民政策を確立し、実行している。従来の移民政策は、しばしば国籍や家族のつながりに焦点を当てる一方、ドバイモデルでは経済的要素と人材の魅力を重視している。そのドバイモデルでは、さまざまな産業から優れた専門家を引き寄せ、都市の経済成長に貢献することが重要視されている。

諸外国から投資を引き寄せるのに欠かせないのが外国からの高度人材導入を優先にする政策だ。従来の移民政策が煩雑な官僚手続きに依存するのに対し、ドバイモデルでは効率的なビザ制度を提供している。ここ数年では、大規模のビザの審査や発行に対応するため、民間企業のソフトウェアや自動化プロセスを導入している。ビザ発行のペーパーレス化で、ドバイ当局は2019年から2022年に150万件以上の申請に対応できた。アメリカなど西側諸国がビザ発行に対して人数制限を設ける一方、ドバイはITの力により、大量の人材流入をより簡易化する傾向を示している。

更に、特定の基準を満たす優れた個人、例えば専門的なスキルや高い資格、または大規模な投資資本を持つ人々は、簡略化されたプロセスを通じて居住許可証や就労許可証を取得することができる。外国人がドバイでビジネスを展開するためには、特定の条件を満たす必要があるが、成功すればビザの特典やビジネス上の優遇措置を享受できる。特に、2019年、ドバイは特定の投資や能力を持つ外国人に長期滞在権利を与える「黄金ビザ」制度を発足させ、更にグローバル人材の囲い込みに注力している。ドバイは2019年から2022年に15万以上の黄金ビザを発行している。人材の魅力と経済成長に焦点を当てることで、ドバイは優れた外国からの専門家と投資家の魅力的な目的地として位置づけ、都市の発展と成功を推進している。

このような移民政策の後押しになっているのが国際貿易や金融サービスなど石油を超える多角化への努力である。ドバイ政府は、ドバイ国際金融センターやドバイマルチコモディティーズセンターなどのイニシアチブを導入し、税制優遇措置やビジネスに適した規制を提供している。さらに、ジェベル・アリフリーゾーンやドバイインターネットシティなどのフリートレードゾーンを設立しており、外国投資家には100％の所有権と税制上の利点を提供している。これらの取り組みは、外国からの投資及び高度人材を引き寄せ、イノベーションを促進するのに成功しており、ドバイをグローバルな経済拠点として急速に発展させている。

日本は、経済成長の減速や高齢化社会の進行に伴い、労働力不足や人口減少といった社会問題を抱える中、このドバイモデルを移民問題に重要な参考であることを提案する。ドバイは、多様な人種や文化を受け入れ、経済成長を遂げている。その開放的な移民政策はドバイを多国籍企業の拠点とさせ、さらに世界中から労働力を引き寄せている。つまり、ドバイは人口の多様性が経済成長に貢献している。日本も労働力と消費者不足を解消するためにより多くの外国人労働者を受け入れる必要がある。ドバイの移民政策を参考にすることで、日本も外国人労働者の受け入れを積極的に進めることができる。